「ピタジュマジック」カウントダウン企画“ピタジュが出来るまで”

ピタジュ結成秘話“ピタジュが出来るまで”

※このストーリーはピーターパンJr.の結成までに迫る連載企画です。2017年の現在進行形の話ではありません。登場する人物、ストーリーは全て過去のエピソードです。ピーターパンJr.のリーダーTAKUROを主人公としてお話を進めて参ります。

 

☆第六話「キャッチボール」

ギター1本でCDを届け、その売り上げで西日本を横断したというKeisukeと、僕は専門学校からの付き合いで学校の中でも特別仲が良い間柄だった。

実はというと、人見知りな僕が専門学校に馴染めたのも何を隠そう彼の存在が大きかったのである。

四国出身である僕は関西の専門学校に入学した時にこう思った。

「これは間違えた。こんなお笑い芸人並に面白い奴らと対等に話しが出来るハズが無い。」

関西人独特の話のテンポ感、オチのある話運び、ツッコミとボケ、リアクション。それらの文化にカルチャーショックを受けた僕はその当時完全に自信を失っていた。

関西人と仲良くなれるハズがない。と塞ぎこんでしまっていたのである。

そんな僕に分け隔てなく接してくれて、クラスでも沢山話をふってくれたのがKeisukeだった。Keisukeのフリに僕が答えると「ホンマお前おもろいなぁ」と言って笑ってくれた。その小さな出来事が僕に再び自信を与えてくれ、徐々にクラスに溶け込んでいったのだ。

学内でもダントツの人気者で誰とでも仲良くなってしまうそのスーパースターのような彼と僕が仲良くなるとは夢にも思わなかったが、実際卒業してからも何度か僕の曲を作ってくれたり、作曲を教えてくれたりと交流が続いていた。

久々の電話でもすぐにあの頃のように会話が弾む僕とKeisuke。そしていよいよ話は本題に。

「路上ライブで人を止めるにはどうすれば良いか?」

という僕の問いかけにKeisukeは一生懸命答えてくれた。そのアドバイスの中で沢山の発見もあったし、これは間違って無かったのか、と再確認出来る部分もあった。

かれこれ二時間は話しただろうか、話題は路上ライブから他愛も無い話へと移っていたその頃、Keisukeの口からある信じられない台詞が飛び出した。

「TAKUROと俺がグループを組んだら面白いかもな。」

思わず「え!?」と聞き返す僕にKeisukeは照れくさそうに続けた。専門学校の在学中に結成していたグループを解散した後、シンガーソングライターとしてソロ活動をしていたKeisuke。しかし、もともとグループミュージックの好きだったKeisukeはソロ活動を通して自分はやはりグループで音楽がやりたい。という結論に至ったという。

そして自分には無い慣性を持った僕と組んだら面白いんじゃ無いのか?と最近ずっと考えてくれていたのだそうだ。

正直この提案を聞いた時、僕は飛び跳ねたくなるほど嬉しかった。

Keisukeの人間性は勿論、作曲能力の高さにも憧れていたしKLEARを近くで見ていてグループでの活動にも魅力を感じていた。

Keisukeとグループを組めたらどれだけ素晴らしい事か。その時のKeisukeがどれほどの気持ちでこの台詞を口にしたのかは分からないが、僕は一瞬にして“その気”になってしまったのである。

興奮を抑えきれないまま東京上京を提案した僕は、半ば強引に今後の計画をKeisukeに話し続けた。

「グループ名はキャッチボールはどうか?」

なんてところまで話が膨らんでしまっていた程である。

「よし。やろう。」

お互いにその気持ちがある事を確かめ合った僕達は本当に有意義な気持ちで電話を切った。またすぐに連絡する。と言い合って。

KLEARと出会って一気に動き始めた僕の運命がここでいきなり百歩前進したようなそんな気持ちだった。

Keisukeが上京して来た時、すぐ本格的に活動出来るように。とにかく今は路上ライブを攻略しなければ。この日を境に僕の快進撃が始まったのだ。

to be continued…