「ピタジュマジック」カウントダウン企画“ピタジュが出来るまで”

ピタジュ結成秘話“ピタジュが出来るまで”

※このストーリーはピーターパンJr.の結成までに迫る連載企画です。2017年の現在進行形の話ではありません。登場する人物、ストーリーは全て過去のエピソードです。ピーターパンJr.のリーダーTAKUROを主人公としてお話を進めて参ります。

 

☆第五話「大きな目をした少年」

KLEARが主催していた“MUSIC PASSO(音楽の足跡)”への出演の為に神戸に来た僕。

イベントを翌日に控えたその夜はDANと一緒に銭湯に行った。そこでも僕達は沢山の話をした。いわゆる“裸のつきあい”である。

その会話の中で出てきたのが「Nissyan」という人物だった。

もともとバンド活動をしていて、現在はソロで弾き語りスタイルで音楽活動をしているという彼は、DANいわく“とっても可愛い元気なやつ”という事だった。

しかし一度ステージに立つと普段の彼とは全く違う「男らしいライブ」をするのだという。俺がたくちゃんを好きになったように、たくちゃんも絶対にNissyanのことを気に入ってくれると思う。俺達は関東で、Nissyanは関西で活動しているけれど後々は一緒に面白いことが出来たら良いと思う。DANは少し興奮気味にそう続けた。

KLEARと出会えた時のように、何か特別な出会いになる。そんな予感がした夜だった。

そして迎えたイベント当日。DANは僕に今日はイベントの運営のことは一切気にせず、伸び伸びたくちゃんのライブをして欲しい。そう言ってくれた。

慣れない高速バスでの移動と慣れない場所での宿泊とが重なり、少しコンディションが気になっていた僕はいつもよりも長めにライブのリハーサルをさせてもらっていた。

ようやくコンディションも整い、リハーサルを終えた時。僕に声を掛けてきた一人の少年がいた。

「俺、たくちゃんの作る歌好きやわ!!R&Bのテイストもあって声にも合ってる!」

大きな瞳で人懐っこそうに笑うその人物こそがNissyanだったのだ。

「どうもはじめまして」

少し堅苦しく挨拶をする僕にNissyanは沢山話掛けてくれた。腰の低いその優しいしゃべり方と笑顔で僕はいつの間にか昔からの知り合いだったかのようにNissyanと話すようになっていた。

コイツ良いやつだな。一瞬でそう思わせてしまう魅力がNissyanにはその当時からあったのだ。

ライブ直前まで「今日は本当に来てくれてありがとう。楽しく歌っていってね。」そんな風に声を掛けてくれるNissyanを僕は本当に素敵な人だな。と感じていた。

僕のライブはDANの協力もありファンの方々も暖かく迎えてくれ、無事に成功する事が出来た。

そして僕の次にステージに立ったのがNissyanだった。

先ほどまでの柔らかい雰囲気とは全く違う、攻撃的で鋭い“ロック”な彼がそこではパフォーマンスをしていた。

強烈なハイトーンボイスにシャウト、そして会場へのあおり。本当に彼はNissyanなのか?そう思ってしまう程だった。

僕があっけにとられているうちにNissyanのステージは終了し、客席からはこの日一番の拍手が鳴り響いた。

「凄い…」

シンプルだがこれ以外の言葉が見当たらなかった。

いよいよイベントはフィナーレ。この日の主役であるDANのステージは、言うまでも無く最高の盛り上がりをみせ大盛況のうちにイベントは終了。本当に素晴らしい時間だった。

打ち上げの席も楽しく、終始気さくに話しかけてくれるNissyan。また神戸に来てね、と言ってくれたのが嬉しくて今でも記憶に残っている。

次の日、バス停までDANの運転する車で送ってもらった僕は車内で一つ約束をした。

「東京に戻ったら死ぬ気で頑張ろう。」

イベントの成功で熱くなっていたせいもあったかも知れないが、こんなに素晴らしい音楽を届けられるDANが東京で頭を打ったままでいるのはどうしても納得出来なかった。

何故自分のことよりDANのことをそんなに考えていたのか、その理由はもう忘れてしまったが、DANが本当に熱い男だったからこそ、僕もDANの為に何かしたい。そう思ったのだろう。

一足先に東京に戻った僕。

どうすれば路上ライブで人に聴いてもらえるのか。来る日も来る日もそのことを考えているうちに昔からの友人である一人の男の事を思い出した。

「そうだ!あいつに聞いてみよう!!」

その友人はギター1本でオリジナルCDをお届けし、その売り上げで西日本を横断したというとんでもないやつだったのだ。

どうして今まで忘れていたんだろう。最強のアドバイザーが僕にはいるじゃないか…

急いで僕は電話帳から「Keisuke」の番号を呼び出した。

to be continued…